不法行為と相続

問題

A会社の工場が爆発し、附近を通行中のBが重傷を負い、通行人CがタクシーでBを医師Dのもとに運んだ。Bは、治療のかいもなく、間もなく死亡し、あとに、長期間別居中の妻E、内縁の妻F及びB・F間の子でBにより認知された幼児Gが残された。

 右の事実関係の下において、次の問いに答えよ。

 E、F及びGは、A会社に対してどのような請求をすることができるか。

(旧司法試験昭和58年民法第2問 改題)


小問

EGはA会社に対してどのような根拠に基づいて損害賠償請求をすることができるでしょうか。請求できる内容の区別とそれぞれの法的根拠を明らかにしてください。

対応する模範解答の部分:
「EGは、不法行為に基づいて、固有の損害および相続によって承継したBの損害賠償請求権を行使できる。」

解答のヒント
小問

EGが相続によって取得したBの慰謝料請求権は、どのような理由に基づき認められるのでしょうか。最高裁の判例に触れながら説明してください。

対応する模範解答の部分:
「慰謝料請求権も金銭債権としての性質を有するため、請求意思の表示がなくても相続されると解される。」

解答のヒント
小問

Fは法律上の配偶者ではありませんが、慰謝料請求をすることができるでしょうか。可能であれば、その法的根拠と理由を説明してください。

対応する模範解答の部分:
「Fは内縁配偶者として、民法711条の類推適用により慰謝料請求が認められる。」

解答のヒント
小問

Fは、Bが死亡したことで扶養を受けられなくなりました。このような損害に対して、Fはどのような法的根拠に基づいて賠償を求めることができるでしょうか。

対応する模範解答の部分:
「Bから受けていた扶養が断たれたことは、財産的損害として709条に基づく不法行為による賠償請求ができる。」

解答のヒント
小問

Fは、Bと内縁関係にあったものの、法律上の相続人ではありません。FはBの生前の損害賠償請求権を「相続」によって取得し、行使することはできるでしょうか。

対応する模範解答の部分:
「Fは法律上の配偶者ではないため、Bの損害賠償請求権や慰謝料請求権を相続することはできない。」

解答のヒント
小問

EGは、Bの死亡によって将来得られるはずだった収入(逸失利益)について、A会社に損害賠償請求をすることができるでしょうか。その理由を説明してください。

対応する模範解答の部分:
「死亡による逸失利益も身体侵害に基づく損害であるとして、損害賠償請求権は相続される。」

解答のヒント
小問

Fが慰謝料を請求できる理由として、民法711条の「類推適用」が用いられるのはどのような場合でしょうか。具体的な事情とともに説明してください。

対応する模範解答の部分:
「法律上の配偶者と同程度の深い関係があれば、711条の類推適用により慰謝料請求が認められる。」

解答のヒント
小問

EGは、Bの死亡によって発生した葬儀費用などをA会社に請求することができますか。その根拠とともに説明してください。

対応する模範解答の部分:
「葬儀費用は遺族が負担する固有の損害であり、不法行為に基づき請求できる。」

解答のヒント

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