賃貸人たる地位の移転・背信的悪意者

問題

甲は、乙に対し、その所有するA地を、石材置場に使用する目的で10年間賃貸したが、賃借権設定登記はなかった。乙は、その土地の2分の1を石材置場に使用していたが、間もなく、残り2分の1を建物所有のために丙に転貸した。丙は、乙が甲から転貸の承諾を得ていないことを知りながら、その土地で建物の建築に着手した。このような状況の下で、甲からA地の所有権を譲り受け移転登記を経由した丙は、乙に対し、その使用部分の明渡しを請求した。丙の請求は認めるべきであるか。甲と丙との間に賃貸人たる地位の移転の合意がなく、この請求が所有権を根拠とする場合に限定して、丙の立場で考えられる主張と、乙の立場で考えられるこれに対する反論とを挙げて、論ぜよ。

(旧司法試験昭和49年第1問改題)

小問

仮に、甲丙の間に賃貸人たる地位の移転の合意があった場合、丙は所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求をすることができるでしょうか。

解答のヒント
小問

乙は、177条の対抗要件の抗弁を主張せず、丙による明渡請求が権利濫用であると反論していますが、それはなぜでしょうか。

解答のヒント

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