抵当権の効力、返還請求

問題

 Aは,Bから3000万円を借り受け,その担保としてAの所有する甲土地及び乙建物(後記の庭石を除いた時価合計2900万円)に抵当権を設定して,その旨の登記をした。甲土地の庭には,抵当権設定前から,庭石(時価200万円)が置かれていたが,抵当権設定登記後,A宅を訪問したCは,同庭石を見て,それが非常に珍しい物であったことから欲しくなり,Aに同庭石を譲ってくれるよう頼んだところ,Aは,これを了承し,Cとの間で同庭石の売買契約を締結し,同庭石は後日引き渡すことにした。このAC間の売買契約を知ったDは,日ごろよりCを快く思っていなかったことから,専らCに嫌がらせをする意図で,Aとの間で同庭石の売買契約を締結して,Cが引渡しを受ける前に,A立会いの下で同庭石をD自らトラックに積んで搬出し,これを直ちにEに転売して,Eに引き渡した。

 この事案について,次の問いに答えよ。

Bは,Eに対して物権的請求権を行使したいが,その成立の根拠となるBの主張について考察せよ。

(旧司法試験平成17年第2問)

小問

BはEに対して、どのような権利に基づき庭石の引渡しを請求しようとしているか?

解答のヒント
小問

本件庭石は、どのような性質を持つと評価されるため、土地と一体として抵当権の効力が及ぶ可能性があるのか?

解答のヒント
小問

従物に該当する庭石に、抵当権の効力が及ぶとされる理由をこたえなさい。

解答のヒント
小問

本件において、BがEに対して直接引渡請求をすることができると考えられるのは、どのような事情がある場合か?

解答のヒント
小問

抵当権に基づいて、妨害排除請求だけでなく返還請求まで主張できるかを論じる必要があるのは、抵当権者にその権限があるかどうかが問題となるからである。この点について、抵当権の性質に照らして、その理由を説明しなさい。


解答のヒント
小問

庭石が土地から持ち出された場合に、なお抵当権の効力が及ぶかどうかを論じる必要があるのは、なぜか。この点について、抵当権の効力の及ぶ範囲とその根拠を考え、説明しなさい。


解答のヒント
小問

庭石が甲土地から搬出されていたとしても、抵当権の効力が及ぶとされるためには、どのような関係が必要か?

解答のヒント
小問

抵当権は登記によって公示される権利ですが、この公示性が及ばなくなるのはどのような場合か?

また、それが及ばない第三者に抵当権を主張するためには、どのような要件が必要か?

解答のヒント

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