94条2項類推適用

【問題】
　甲は，乙に対し，甲の所有する土地Ａの登記済証，実印等を預けて長期間放置していたところ，乙は，土地Ａにつき，勝手に自己名義に所有権移転登記をした後，丙に対する自己の債務を担保するため抵当権を設定し，その旨の登記を了した。その後，乙は，土地Ａを丁に売却したが，登記は，いまだ丁に移転されていない。
　右の事例において，丁が丙に対して抵当権設定登記の抹消請求をすることができる場合及びこれをすることができない場合について，理由を付して論ぜよ。

要件事実

• 　訴訟物　所有権に基づく妨害排除請求権（としての抵当権登記抹消登記手続き請求）
  • ①所有権の存在
  • ②妨害としての占有（この場合は抵当権登記）の存在
• 　１７７条は権利抗弁。それに対する抗弁として、背信的悪意者（つまり、第三者に当たらないこと）がくる。
• 　背信的悪意者
  • ①悪意であることの評価根拠（障害）事実
  • ②背信性の評価根拠（障害）事実